ADC *1をさまよっている時に OCUnit という単語が目に付きました。興味があったので ADC で検索し
Test Driving Your Code with OCUnit http://developer.apple.com/tools/unittest.html
ページを見つけました。解説のサンプルとして
/Developer/Examples/AppKit/TemperatureConverter
を利用しています。
元のTemperatureConverter を変更したくないので TemperatureConverter フォルダをコピーして適当な場所にペーストし、動作を確認しました。
OCUnit を試すつもりだったのですが、TemperatureConverter を理解しないと先に進めません。(今回は時間がなく OCUnit は試すことができませんでした。 )
そこでソースを覗いてみました。NSValueTransformer を利用しています。私は NSValueTransformer をよく理解していませんでした。ソースや Interface Builder でバインディングを調べてみるとだいたい理解できました。
確認のために
Value Transformer Programming Guide http://developer.apple.com/documentation/Cocoa/Conceptual/ValueTransformers/index.html#//apple_ref/doc/uid/10000175i NSValueTransformer Class Reference (Objective-C) http://developer.apple.com/documentation/Cocoa/Reference/Foundation/Classes/NSValueTransformer_Class/index.html#//apple_ref/doc/uid/TP40003766
を読みました。TemperatureConverter の動作を理解した後なので、わかりやすかったです。
ただ Available Value Transformers の
NSNegateBooleanTransformerName NSIsNilTransformerName NSIsNotNilTransformerName NSUnarchiveFromDataTransformerName
をどう利用すれば良いのか理解できませんでした。
Xcode でフレームワーク内を NSNegateBooleanTransformerName 検索してみると
/System/Library/Frameworks/Foundation.framework/Versions/C/Headers/NSValueTransformer.h FOUNDATION_EXPORT NSString * const NSNegateBooleanTransformerName AVAILABLE_MAC_OS_X_VERSION_10_3_AND_LATER;
と宣言されています。
NSLog(@"%@", NSNegateBooleanTransformerName);
を実行してみると NSNegateBoolean と表示されます。NSNegateBooleanTransformerName の指す文字列 “NSNegateBoolean” は Interface Builder の Inspector/Bindings/ValueTransformer で選択できる文字列と同一のようです。
const の説明は
Const-correctness - Wikipedia, the free encyclopedia http://en.wikipedia.org/wiki/Const
を参考にしてください。わかりやすく説明されています。
TemperatureConverter の動作を記しておきます。(間違っている可能性もあるので注意してください。)
1. + (void) initialize
クラス ApplicationDelegate が初期化される時に呼び出されるメソッド + (void) initialize で3つの ValueTransformer
Name: centrigradeFromKelvin : CentigradeValueTransformer
Name: fahrenheitFromKelvin : FahrenheitValueTransformer
Name: rankineFromKelvin : RankineValueTransformer
を設定しています。クラスの初期化時に名前を指定して自作のValueTransformerを設定すると良いようです。指定した名前は Interface Builder で利用できます。
2. 伝搬 (簡略化されています。)
TemperatureConverter では ウインドウに表示されている4つ (ケルビン : Kelvin、摂氏: Centigrade、カ氏 : Fahrenhei、ランキン温度 : Rankine) のテキストフィールド (本当はNSFormCell) がすべて LastTemperature にバインドされています。LastTemperature の温度単位はケルビンです。
例えば Centigrade テキストフィールドの値を変更すると
↓
Centigrade テキストフィールドの
ValueTransformer (CentigradeValueTransformer) – (id)reverseTransformedValue:(id)value;
が呼び出され、Kelvin に変換され、LastTemperature に設定される。
↓
LastTemperature が変更されたため、利用している4つ (Centigrade 、Kelvin、Fahrenhei、Rankine) のテキストフィールドに通知される。
↓
Kelvin テキストフィールドは伝わった値を – (void)setObjectValue:(id)object; でテキストフィールドに設定し表示。
Centigrade、Fahrenhei、Rankine テキストフィールドはそれぞれの ValueTransformer (CentigradeValueTransformer、FahrenheitValueTransformer、RankineValueTransformer) の – (id)transformedValue:(id)value; で変換され、その値を – (void)setObjectValue:(id)object; でテキストフィールドに設定する。 – (id)transformedValue:(id)value; の value が LastTemperature。
Cocoa Bindings Programming Topics: Bindings Message Flow http://developer.apple.com/documentation/Cocoa/Conceptual/CocoaBindings/Concepts/MessageFlow.html#//apple_ref/doc/uid/TP40002149
が参考になります。