前回、予告した PC-G850V、PC-G850VS とMac の仮想化ソフト Parallels Desktop 7 for Mac 上の Ubuntu 11.10 にシリアル接続し、Ubuntu 11.10 ( Linux ) にリモート・ログインできるターミナル (端末)
PC-G850/G815/E200用ソフトウェア G850ターミナルhttp://www16.ocn.ne.jp/~ver0/g800/index.html#g850termhttp://ver0.sakura.ne.jp/g800/index.html#g850term
G850ターミナルを紹介したいと思います。
Mac の USB ポートと PC-G850V、PC-G850VS 周辺機器接続端子(11ピン) にそれぞれ 秋月電子通商 USB・RS232C シリアルポート変換ケーブル、高松製作所 RS232C シリアルケーブル を接続し、Mac の仮想化ソフト Parallels Desktop 7 for Mac 上の Ubuntu 11.10 にシリアルポートからログインするためには、Ubuntu 11.10 上に /etc/init/ttyS0.conf ファイルを作成する必要があります。
絶対無糖 (Zettai Non Sugar): Ubuntu でシリアルポートからログインする http://zettai-non-sugar.blogspot.com/2009/05/ubuntu.html SerialConsoleHowto - Community Ubuntu Documentation https://help.ubuntu.com/community/SerialConsoleHowto
上記、URL が参考になります。簡単に説明すると Parallels Desktop 上の Ubuntu 11.10 で Terminal を起動します。
ここでは sudo を何度も使うのは面倒なので sudo su を使ってスーパーユーザーになります。
yoshiaki@ubuntu:~$ sudo su [sudo] password for yoshiaki: root@ubuntu:/home/yoshiaki#
/etc/init ディレクトリに移動し、属性と一緒に tty1.conf ファイルを ttyS0.conf にコピーします。
root@ubuntu:/home/yoshiaki# cd /etc/init root@ubuntu:/etc/init# cp -p tty1.conf ttyS0.conf
ttyS0.conf ファイルを次のように編集します。
# tty1 - getty # # This service maintains a getty on tty1 from the point the system is # started until it is shut down again. start on stopped rc RUNLEVEL=[2345] stop on runlevel [!2345] respawn exec /sbin/getty -L 9600 ttyUSB0 vt220
編集には vi、emacs などを使ってください。
重要なのは
exec /sbin/getty -L 9600 ttyUSB0 vt220
の一行です。それぞれ
通信ボートレート: 9600 bps シリアルポートデバイス名: ttyUSB0 端末エミュレータ: vt220
を表しています。
シリアルポートのデバイス名は、コマンド dmesg で確認できます。Parallels Desktop 7 上で Ubuntu 11.10 を起動し、秋月電子通商 USB・RS232C シリアルポート変換ケーブルを Mac の USB ポートに繋ぐと Mac 側か Ubuntu 11.10 側のどちらに接続するか尋ねてくるので、Ubuntu 11.10 を選択します。
Terminal でコマンド dmesg を使うと
yoshiaki@ubuntu:~$ dmesg [ 128.609750] usbcore: registered new interface driver usbserial_generic [ 128.609751] usbserial: USB Serial Driver core [ 128.610480] USB Serial support registered for pl2303 [ 128.610861] pl2303 2-1:1.0: pl2303 converter detected *[ 128.625703] usb 2-1: pl2303 converter now attached to ttyUSB0 [ 128.625713] usbcore: registered new interface driver pl2303 [ 128.625717] pl2303: Prolific PL2303 USB to serial adaptor driver [ 129.884737] init: ttyS0_org main process (1743) terminated with status 1 [ 129.884757] init: ttyS0_org main process ended, respawning yoshiaki@ubuntu:~$
上の * 印より、シリアルポートのデバイス名 ttyUSB0 が判明します。秋月電子通商 USB・RS232C シリアルポート変換ケーブルは、変換チップに PL2303 を使っています。Ubuntu 11.10 上ではドライバを必要としません。
コマンド lsusb でも確認できます。
yoshiaki@ubuntu:~$ lsusb Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub Bus 001 Device 002: ID 203a:fff9 Bus 002 Device 002: ID 067b:2303 Prolific Technology, Inc. PL2303 Serial Port yoshiaki@ubuntu:~$
また、Ubuntu 11.10 に含まれる端末エミュレータは、/lib/terminfo ディレクトリの
root@ubuntu:/etc/init# cd /lib/terminfo root@ubuntu:/lib/terminfo# ls -alF total 60 drwxr-xr-x 15 root root 4096 2011-09-17 04:29 ./ drwxr-xr-x 20 root root 4096 2011-10-25 18:16 ../ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 a/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 c/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 d/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 E/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 h/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 l/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 m/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 p/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 r/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 s/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 v/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 w/ drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 x/
v ディレクトリから確認できます。
root@ubuntu:/lib/terminfo# cd v root@ubuntu:/lib/terminfo/v# ls -alF total 24 drwxr-xr-x 2 root root 4096 2011-10-01 02:31 ./ drwxr-xr-x 15 root root 4096 2011-09-17 04:29 ../ -rw-r--r-- 1 root root 1194 2011-09-17 04:29 vt100 -rw-r--r-- 1 root root 1188 2011-09-17 04:29 vt102 -rw-r--r-- 1 root root 1279 2011-09-17 04:29 vt220 -rw-r--r-- 1 root root 470 2011-09-17 04:29 vt52 root@ubuntu:/lib/terminfo/v#
VT200 の端末エミュレータが Ubuntu 11.10 にはないようなので VT220 を用いました。詳しくはないので、これで正しいのかわかりません。端末エミュレータの定義は w3m などに使われます。
コマンド start ttyS0 (sudo start ttyS0) で開始します。
root@ubuntu:/etc/init# start ttyS0 ttyS0 start/running, process 2318 root@ubuntu:/etc/init# exit exit yoshiaki@ubuntu:~$
これで、Ubuntu 11.10 側の設定は終わりです。
PC-G850V、PC-G850VS 側は、
PC-G850/G815/E200用ソフトウェアhttp://www16.ocn.ne.jp/~ver0/g800/index.html#g850termhttp://ver0.sakura.ne.jp/g800/index.html#g850term
から、G850ターミナル ソースとバイナリ[ g850term20080419.zip ] をダウンロードし、その中に含まれるファイル g850vtermj.ihx を拙作 PCG-LinkMac [ http://kyoshiaki.sakura.ne.jp/osx/pcg850v.html#pcglink ] を使って、PC-G850V側に転送します。PCG-LinkMac の ReadMe ファイルを参考にしてください。
Mac OS X 10.7.2 Lion のドライバ問題の回避方法が
2011-07-31 - KOYAMA Yoshiaki の日記 http://d.hatena.ne.jp/KYoshiaki/20110731
に説明されています。
Mac 側の PCG-LinkMac から PC-G850V側 にファイル g850vtermj.ihx を転送する方法を簡単に説明します。
ファイル g850vtermj.ihx のサイズが大きいので、まず最初に PC-G850V の ON キーを押して電源を入れた後、ボールペンなどでリセットスイッチを押して PC-G850Vを初期状態にします。(注意、リセットすると保存したすべての BASIC プログラムなどが消去されるので、事前に Mac 側に退避しておいてください。)
Mac 側、PC-G850V側 のシリアル入出力条件を設定し、PC-G850V側で機械語モニタモードに入ります。g850vtermj.ihx のために必要なユーザーエリアは 722B ですが、念のため 7600 にします。その後、R 命令を使ってデータを読み込んでください。読み込みが終了するとデータが入ったエリア(領域)が表示されます。今回は INFO:0100-722B がそれに当たります。
MON *USER 7600 *R INFO:0100-722B *
読み込みが終了したら G100 でで G850 ターミナルを実行します。シリアルポートが繋がっていないので、何も表示されませんが、BASIC キーを押して端末の設定を行います。
*G100
数字キーで設定を変更でき、リターンキーを押すと変更しません。現在の状態は、[ ] の中に表示されています。私の設定は
BAUD 5: 9600 PARITY 0: none FLOW 0: none ECHO 0: off SCREEN 2: 36*6 KANJI: 2: SJIS
です。設定が終わったら、OFF キーで終了してください。端末の設定は、実行中 (Ubuntu 11.10 にログイン中)でも BASIC キーを押せば、変更できます。特に、漢字コードや画面サイズは変更したくなるかもしれません。
秋月電子通商 USB・RS232C シリアルポート変換ケーブルをUSB ポートから抜き、再度差します。Mac 側、Ubuntu 11.10 側のどちらに接続するか尋ねられるので Ubuntu 11.10 側をクリックします。
PC-G850V、PC-G850VS 側で、機械語モニタモードに入り G100 で G850 ターミナルを実行します。
login 画面が出ない時は Return キーを押してください。
Ubuntu 11.10 login
login name を入力し、リターンキーを押してください。続いてパスワードを入力し、リターンキーを押します。これでログインできます。後は、Ubuntu 10.10 上の Terminal と同じです。
cat
ls
こんにちは.
G850ターミナルの作者のまるひろです.
ソフトの紹介と詳しい説明をありがとうございます.
(本当は作者の私がしなければならないのですが…)
G850ターミナルのページからリンクしました.
http://www16.ocn.ne.jp/~ver0/g800/#g850term
ご確認ください.
まるひろさん、はじめまして。
作者からの返事、感激です。
本当は、こちらからブログで取り上げたことをお知らせすべきでした。
'G850ターミナル' ページからのリンク確認しました。
わざわざ、リンクしていただき有り難うございます。
まるひろさんの公開しているソフトの完成度に驚いています。
iPhone や Mac に移植したら面白そうなものばかりです。
私自身、Z80アセンブラの知識が乏しいので無理ですが!